バーチャルガールズグループが正式デビュー!韓国エンタメ業界でバーチャルヒューマンが大活躍!

photo by imagenavi

韓国のエンタメ業界では、実在しないバーチャルヒューマンアイドルとして高い人気を集めています。この記事では、「MAVE:(メイブ)」を中心に韓国世界で活躍するバーチャルヒューマンについてご紹介します。

バーチャルガールズグループ「MAVE:(メイブ)」が2023年1月に正式デビュー

photo by imagenavi

韓国では、2023年1月にメタバースガールズグループ「MAVE:(メイブ)」がデビューを果たしました。「MAVE:(メイブ)」の特徴は、4人のメンバー全員がバーチャルヒューマン、つまり現実には存在しない人間である、という点です。ここでは、「MAVE:(メイブ)」について開発者やメンバーを紹介していきます。

「MAVE:(メイブ)」とは?

MAVE:(メイブ)」は、2023年1月に正式デビューしたバーチャルアイドルグループです。1月25日には1stアルバム「PANDORA’S BOX」をリリースしました。タイトル曲である「PANDORA」のミュージックビデオはYouTubeの再生回数が1,500万回を超え、完成度の高いグラフィックとキレのあるパフォーマンスが注目されています。「MAVE:(メイブ)」のグループ名はMake New Wave」ので、K-POP界に新たなウェーブを起こしたいという意味が込められています。

韓国ゲーム開発大手『ネットマーブル』が開発

MAVE:(メイブ)」を開発したのは、韓国のゲーム開発会社『ネットマーブル』です。同社は「セブンナイツ」や「ニノ国」といった著名なゲームタイトルを手がけており、現在はブロックチェーンを利用したゲームやメタバース開発に注力しています。今後はネットマーブルの開発するゲームコンテンツでも「MAVE:(メイブ)」の起用が期待されます。

METAVERSEエンターテインメント、初のアイドルグループ

「MAVE:(メイブ)」の所属事務所METAVERSEエンターテインメントはネットマーブルの子会社で、AIバーチャルヒューマンの技術を活用したコンテンツ制作を目指しています。韓国最大の音楽ストリーミングサービス、MelOnを運営するカカオエンターテインメントと提携したメタバース事業を展開しています。

「MAVE:(メイブ)」はMETAVERSEエンターテインメント初のガールズグループです。「MAVE:(メイブ)」のプロモーションによって、普段IT技術に興味がない人々にも、アイドルを通じてメタバースなど親会社のネットマーブルが手がける分野に興味をもってもらうという宣伝効果が意図されています。

MAVE:(メイブ)&メンバー紹介

「MAVE:(メイブ)」は、感情の自由を求め、IDYPIAという未来世界からやってきた4人の子どもが2023年の地球に不時着したというSF的世界観を持つグループです。そのため、出身地は「不時着場所」と表記されています。
メンバーはSIU(シウ)ZENA(ジェナ)、メインラッパー・メインダンサーのTYRA(タイラ)、サブラッパー・サブダンサーのMARTY(マーティー)4名です。
それぞれのメンバーに、個人の性格を16タイプに振り分けたMBTI診断の結果を設定しているのが特徴で、バーチャルヒューマンでありながら各自の性格を身近に感じられる工夫がなされています。

SIU(シウ)

リーダーかつメインボーカルのSIU(シウ)は、紫色のロングヘアーが特徴的なメンバーです。歌を通じて人々に慰めや希望を与えることを目標にしており、「私を信じよう」をモットーにしています。唯一韓国に不時着したメンバーで、辛いトッポッキが好物です。MBTIはINFP(仲介者型)で、まさにメンバーを一丸にまとめるリーダータイプの性格をしています。

ZENA(ジェナ)

ZENA(ジェナ)はリードボーカル担当で、フランスに不時着したためかレザー素材を使ったモード系ファッションが印象的なメンバーです。「MAVE:(メイブ)」を実力派グループに押し上げることを目指しています。MBTIはISTP(巨匠型)で、クリエイティブに試行錯誤を繰り返し、高みを目指していく性格が反映されています。

TYRA(タイラ)

メインラッパー・メインダンサーを務めるTYRA(タイラ)は、高めのツインテールがトレードマークです。カリフォルニアに不時着したため、華やかなファッションやラップを好みます。目標は世界ナンバーワンのラッパーになることです。MBTIはENTP(討論者型)で、強い野心と向上心を持ってラッパーという目標に挑戦する姿勢が表されています。

MARTY(マーティー)

MARTY(マーティー)はサブラッパー・サブダンサーを担当するメンバーで、ピンクのアクセサリーがチャームポイントです。ポジティブな性格で、「MAVE:(メイブ)」の末っ子的な位置づけといえるでしょう。100年以上活動するような長寿グループが目標です。MBTIはENFP(広報運動家型)で、社交的で誰からも愛される性格を示しています。

進化を続けるバーチャルヒューマンアイドル

「MAVE:(メイブ)」のほかにも、韓国のエンタメ業界ではバーチャルヒューマンアイドルが多く起用されています。ここでは、バーチャルヒューマンアイドルの概要や有名なアイドルを紹介します。

バーチャルヒューマンアイドルとは?

バーチャルヒューマンアイドルとは、実際の人間と見間違えるような精巧なCG(バーチャルモデル)を用いたアイドルです。日本では、2019年の紅白歌合戦に出場した「AI美空ひばり」で広く一般にも知られるようになりました。バーチャルヒューマンアイドルは、「AI美空ひばり」のように実在の人物をバーチャルモデルで再現するものと、架空の人物をゼロから創造するものの2種類があります。既にご紹介した「MAVE:(メイブ)」のような後者のタイプは、自由にキャラクター造形ができ、かつ生身の人間と違って炎上リスクがないことから注目を集めています。

バーチャルヒューマンアイドル「Etern!ty(エターニティー)」

Etern!ty」は2021年3月にデビューした11人組バーチャルガールズグループです。3rdシングルではAI作曲家による曲をリリースし、AIならではの方法で活動しています。また、メンバーの一人の声をベトナムのK-POPファンが担当しており、才能があればだれでもK-POP界で活動できるという可能性を示したことでも話題になりました。

ディープラーニングテクノロジー企業「Plus9」が制作を担当しています。メンバーを作る際にはバーチャルイメージを生成する人工知能「Deep Real AI」が「可愛い」「セクシー」「清純」「知的」の4つの特徴に基づいて101の女性の顔を生成し、K-Popファンの投票によって11人に絞られました。「Etern!ty」のミュージックビデオは、生成した顔を人間の女性に合成することで制作されています。合成技術はアルバムを重ねるごとに成長していくため、よりリアルへ近づいていく過程を楽しめるのも「Etern!ty」の魅力の一つです。

バーチャルアイドルとしてメタバースでデビュー⁉「少女リバース(RE:VERSE)」

少女リバース(RE:VERSE)」は実在のK-POPアイドル30名がデビューをかけて争うバーチャルアイドルサバイバル番組です。参加メンバーは現実世界での「正体」を隠し、用意された3Dアバターとキャラクター設定を使ってダンスや歌で勝負し、視聴者投票の結果で徐々に選抜されていきます。アバターが「MAVE:(メイブ)」や「Etern!ty」のような精巧なモデルとは違い、日本のアニメ風であることが特徴的です。

メンバーの動き・表情はモーションキャプチャ技術で正確にアバターに反映され、本物のK-POPアイドルを見ているような感覚で視聴できることが注目を集めました。さらに、メンバーは全員K-POP界で実績を持つ現役アイドルのため、アバターの「正体」がどのアイドルかというファンの考察が話題になりました。「少女リバース(RE:VERSE)」は、現実世界とバーチャルヒューマンのコラボを活用した事例の一つです。

韓国のテレビ局が“地上波の生放送”で初めてバーチャルヒューマンを起用

photo by imagenavi

ますます活動の幅を広げるバーチャルヒューマンですが、2022年には地上波の生放送登場も果たしています。ここでは、起用された番組の内容やバーチャルヒューマンについてご紹介します。

技術の進化から生放送出演が可能に

バーチャルヒューマンはこれまで写真や録画映像で活用されてきましたが、2022年8月にはニュース番組の生放送に進出を果たし、人間のアナウンサーとの自然なやり取りに注目が集まりました。

レポーターは、バーチャルヒューマンの「ジェーン」

レポーターを務めるのは、「Etern!ty」のメンバーであるジェーンです。ジェーンは2022年8月1日に韓国YTNテレビの『ニュースライダー』に生出演し、10分ほどのインタビューに答えました。さらに、同年12月には韓国SBS局『モーニングワイド』で「知っておけば有益な特急情報」を伝えるレポーターに起用され、毎週生放送番組に出演しています。

バーチャルヒューマンの生放送出演が可能にした”ディープリアルライブ技術”

ジェーンのようにバーチャルヒューマンが生放送出演できるのは、ディープリアルライブ技術によるものです。この技術は、数十万の顔データをAIに学習させて作ったバーチャルヒューマンの顔を実在の人間の体に合成するというものです。1秒あたり30フレームもの画像を合成することで、生身の人間と並んでも違和感のない表情が作られています。

世界中で進化を続けるバーチャルヒューマン

「MAVE:(メイブ)」や「Etern!ty」のような韓国エンタメで活動するアイドルの他にも、世界中でバーチャルヒューマンの活用が進んでいます。ここでは、おもに日本で活動するバーチャルヒューマンをご紹介します。

コンプレックスや悩みを持つ「MEME」

2018年にデビューした「MEME」は、「完璧ではない美しさ」をコンセプトにしたバーチャルヒューマンで、人間と同じようなコンプレックスや悩みを持っています。
例えば、顔にそばかすや目立つ痣があるといった、コンプレックスを盛り込んだ外見をしています。また、Instagramでは感情的な投稿も書き込むなど、他のバーチャルヒューマンとは一線を画したリアリティーあふれる個性を持っています。

「MEME」は、カミソリなどの刃物メーカーである貝印の広告に起用されたことで話題となりました。広告では、手を頭上で組み、腋毛を見せる姿勢の「MEME」とともに「ムダかどうかは、自分で決める。」というメッセージが打ち出されており、剃毛・脱毛に関する固定観念を問い直す印象的なものとなっています。この広告は、実在のモデルでは「腋毛のイメージが付いてしまう」と忌避されがちなテーマを、バーチャルヒューマンを利用して解決した事例でもあります。

また、2021年3月には「世界初のバーチャルヒューマン自身によるNFTアート」と銘打ってポートレート写真を発表し、話題を集めました。

Instagramを中心に活躍しているバーチャルモデル「imma」

imma」は2018年からInstagramで活動する、日本の企業Awwによって制作されたバーチャルモデルです。ピンクのおかっぱ頭が特徴的で、海外の人が連想する日本文化やアニメらしさを取り入れてデザインされました。

Instagramのフォロワーは33万人を超え、バーチャルのインフルエンサーとして注目を集めました。フェラガモなどの有名ブランドとのコラボ、ポルシェIKEAの広告への起用など、バーチャルモデルとしての実績を着実に重ねています。

「imma」は生身のモデルに顔だけ合成される、または全身のCGモデルを利用するといった方法を柔軟に使い分けて表現されています。また、メイクには専門のスタイリストがアドバイスを行い、3Dモデルでありながらリアルなメイクが施されています。髪型・顔つきも徐々にフォロワーの反応やトレンドを取り入れて変化していっており、こうした細かな修正を重ねて常に流行のスタイルを表現できるバーチャルモデルの強みが活かされています。

限りなく人間に近いビジュアルを持つバーチャルヒューマン「coh」

coh」は2021年、KDDIのクリエイティブチーム「au VISION STUDIO」によって発表されたバーチャルヒューマンです。「coh」は人間が自然に話しかけられるようなバーチャルヒューマンを目指すというコンセプトを持ち、人間に近い見た目や仕草、会話、表情がデザインされています。

「coh」はARやVR技術を用い、非接触でも人間とコミュニケーションできる企画に多く起用されています。例えば、2021年3月、日本科学未来館では、来場者がスマートグラスをかけると「coh」がグラスの視界に登場し、ガイドを行うというイベントが開催されました。また、2021年4月には化粧品ブランドKANEBOのメイクモデルにも起用され、スマートフォンのカメラを使って「coh」と同じメイクを自分の顔写真に施せるようなコンテンツが制作されています。

車室内見守りシステム「Saya」

Saya」は夫婦CGクリエーター、TELYUCAによって制作されたバーチャルヒューマンで、女子高校生の姿をしています。2015年に発表されて以降、対話AIの搭載など最新技術を取り入れながら成長の過程を発表してきました。

2021年、「Saya」は自動車部品メーカーであるアイシン精機の「車室内見守りシステム with Saya」に起用されました。このシステムは、完全自動運転のバス車内で乗客の顔や動きを検知し、「Saya」と乗客がコミュニケーションするというものです。例えば、つり革を持っていない乗客につり革を持つように促すなど、自動運転中のちょっとした事故のリスクを軽減する機能があります。

また、「Saya」は人間と自然にコミュニケーションがとれるよう、会話中にふと視線をそらすようなリアルな動きが取り入れられています。こうした人間らしさによって、自動運転中の無人の車内にいる乗客の不安を解消するように活用されています。

バーチャルヒューマン技術を試すなら”INAIMODEL”がおすすめ!

photo by INAI MODEL

実在しないバーチャルヒューマンを試したいとお考えの方には、イメージナビ株式会社の「INAIMODEL」をおすすめします。

INAI MODEL(イナイモデル)は、写真素材販売を行うイメージナビ株式会社とAIベンチャーの株式会社データグリッドが共同開発した実在しないモデル・バーチャルヒューマンの画像を提供するサービスです。著作権は問題なく、商用利用OKということで気軽に利用できます。INAI MODELでは、敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いることで、本物の人間と見分けがつかないほどのクオリティを持ったモデル・バーチャルヒューマンの画像を生成しています。利用目的に合わせて性別や年齢などを自由に変えられるので便利です。

AIの作り上げたモデル・バーチャルヒューマンの画像ですから、人間と違い使用許可を得るために本人や事務所と契約をする必要はなくクレーム対応などの管理も不要です。撮影や3Dモデルを作成する手間も不要で、衣装やポーズを自在に変更でき、コスト削減・納期の短縮が可能です。また、年月が経っても衰えることのない姿の人物画像を、長く使えることも魅力です。

今後、バーチャルヒューマン技術や、リアルなAIアイドル・タレントをビジネスで活用する展望があれば、イメージナビ株式会社の「INAIMODEL」についても導入を検討していただければ幸いです。